よつば倶楽部2007年5月号
よつば倶楽部2007年5月号
こんにちわ(*^_^*)5月担当の神谷です。
5月は、五月晴れ、風薫る5月、とても爽やかですよね、山の緑は芽吹いてほんのり濃淡
があってドライブもよし...。
ところが、当事務所は5月と言えば、1年間の内で確定申告終了後にやってくる二番目に
忙しい月です、理由は3月決算法人の申告期限が控えているからなのですが...。
でも、ゴ-ルデンウィ-クは月初ということもあり、家の中の整理整頓や久しぶりに友人
と食事を楽しむなどをして過ごしました、その中の最後の休日6日に伊勢市で行なわれて
いる20年に一度のお木曳行事に参加したことを書きたいと思います。
2ケ月くらい前に伊勢の知人の方から「この機会を逃したら次回はないよ?!伊勢のお木曳
に参加せ~へんか」とのお誘いを頂きました。
お木曳行事とは、20年に一度、伊勢神宮の式年遷宮に向けて神宮新宮造営に使用される
御神木を市民の皆さんが神宮へ曳き入れる20年に1度の行事で、2年に渡り執り行われ
今年は2年目ということです
お木曳は、その昔より続く神宮(伊勢)の伝統行事で、木曾で切り出された御神木を木曽
川を使って伊勢湾へ流し出し、伊勢湾を経て伊勢の地へ(現在は交通手段の発達により陸
路で運ばれるのですが)運ばれたのだそうです。
伊勢の地では、外宮領と内宮領とに分け、両宮それぞれに奉曳きをし、外宮領は宮川から
外宮へと独特の奉曳き車に御用材を積み、老若男女みんなで綱を引いてゆく陸(オカ)曳、
内宮領は神域を流れる清流五十鈴川の中ソリに載せた御用材を曳く川曳があり伊勢の町衆
による民族行事です。私が参加できたのは、陸曳のほうですね。
さてさて、6日の朝は今迄の晴天とはうって変わって雨模様...(;。;)とても楽しみにし
ていたのに(;。;)...でも「次の機会はないよ!!」の気持ちにめげずに出かけました。
朝7時30分に宮川堤に集合ということで朝一番の近鉄電車で早朝は特急はまだ動いてな
いのですね..新発見。
宮川の河川敷に到着。
本日は5つの町内がお木曳をするそうです、河川敷では各町内の町名の入ったのぼりがは
ためいて いて時代劇の合戦の風景の様、人々は町名の入った、はんてんを着て白装束、
知人から一般参加の町名の入った木のペンダントを渡された、必ず守らなければならない
ル-ルは奉曳車につながれた皆で引っ張るロ-プを踏みつけないこととの教えを受けた。
7時30分の出発でも、外宮へご神木を納めるのは2時過ぎぐらいとのこと???普通に
歩けば3.40分の距離なのに??
到着したとたん目にしたのは、坂の頂上で7、8mはある用材を載せたソリをシ-ソ-の
ように揺らして、廻りを囲んだ町内の若い衆が木遣りを歌っている、これが「どんでん」
といい河川敷で御用材をソリに載せ「水揚げ.水切り」を行なうところからが始まりです。
また川へ戻り何度か繰り返した後、どんでん場から「エンヤ!」の合図で一気にソリが滑り
降ります。
用材はその後、奉曳車に載せ替えられ綱で
しっかりと荷締めされ飾り付けをします。
奉曳車は、お祭りの山車車と同じ構造です
が上部のきらびやかな処には、太い御用材
が3本積まれ、御用材を載せた後、お飾り
が上部にくっつけられて、お祭りの山車車
よりシンプルな感じです、車の前には長~い
ロ-プがつながれ細いロ-プは子供が、太
いロ-プは大人が持ちます。
さて、出発です。
まず長老の挨拶と、清めの酒で乾杯をし、若い衆の木遣り歌が終わると「エンヤ!」のか
け声で綱を曳き始めました、進行は前後の進み具合を見ながらゆっくりと進みます。2本
のロ-プは途中 左右に大きく分かれたりぶつかり合ったり押し合ったりして練りがあり
又楽しいです。
道中では3ケ所程の休憩があり、休憩の度に若い衆の木遣り、それぞれの町で工夫した踊
りなどが 披露されてそれが終わると又進むといった具合です。
休憩所では、今日参加していない町の人々が、お茶の接待をして下さいます。本当に町ぐ
るみの行事ですね。
とても印象深かったのは奉曳車から発せられる、車輪と車軸のこすれ合う「ヴォ-ン」と
いう独特 の音が鳴ります、これを「わん鳴り」と言い「うちの音が最高や」と音色を競
うのだそうです。
驚きは、木と木のこすれ合う熱で、車軸の処から煙が上がり初め、間近に見たのは初めて
のことで びっくりです .。ooO(゚ペ/)/ひゃ
摩擦を和らげるのにはチョ-クを木と木の隙間にいれ滑りを良くするのだそうです、町役
さんの車の係の方は大変です、あまり早く曳きすぎて熱をもちすぎると進行をゆるめては
調整しています
最後のクライマックスは、外宮の北御門前から最後の木遣りを披露をした後一気に神域に
駆け込み ます、最終は奉曳車に載せられた御用材を貯木場である池へ降ろして本日の町
の大行事か終了するのですが、どのようにして降ろすのだろう、この大木をと素朴な疑問
がわき上がりました。
びっくりです。
古式にのっとって人間の手で降ろすのです、
木材を御用材の下に入れ、てこの原理で少
しずつ縛ってある綱をゆるめつつ、ゆっくり、
ゆっくりです。
貯木場へ納めると、全員からホッとした安堵
感がその場に漂います。
奉曳の途中で、けが人、事故などがありますとその御用材は、「けがれた」ということで使
われないのだそうです、町のお年寄りは、お酒の入った若い衆や参加者たちがまず怪我をし
ないという ことに最大の心配りをして貯木場まで曳いてゆきます。
私はといえば、雨の中、運動靴の中もぐしょぐしょになったにもかかわらず、なぜかホッと
した気分と、この行事に参加できたことがとても楽しかったと感じました。
古くからの伝統行事を引き継ぐ伊勢人の温かさと、時間をかけてゆっくり進んでゆくお木曳
に、歴史と行事の意味を感じることができ、様々な人々の気持ちが木に込められているんだ
ということを考えながら「エンヤ!」のかけ声が耳に残る一日でした。
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