よつば倶楽部2009年10月号


 

よつば倶楽部2009年10月号

こんにちは。10月担当の樋口真紀です。
そろそろ紅葉の美しい時期ですね。気候も過ごしやすくなって、絶好のおでかけ
日和……といいたいところですが、今年の秋はまだどこにもでかけていません(苦笑)
そんなわけで、今回は昨年の秋のお話をしたいと思います。

昨年の11月、武田信玄ゆかりの地、山梨に行ってきました。
まず向かったのは、山梨の東の玄関口、塩山にある武田信玄の菩提寺、恵林寺です。


    


黒門を入り長い長い参道を上がると四脚門(赤門)が現れます。
運動不足な私には、ちょっときつい道のりでした(苦笑)この赤門は織田軍に
よって焼かれた後、徳川家康によって再建された当時のものだとか。


    


さらに進むと、次に現れるのが三門です。
恵林寺は、武田氏が滅亡した際、寺に逃げ込んだ者達の引渡しを拒否したため、
織田軍による焼き討ちにあったようです。この時、快川和尚が燃え盛る三門の上で

安 禅 不 必 須 山 水 (あんぜんかならずしもさんすいをもちいず)
滅 却 心 頭 火 自 涼 (しんとうめっきゃくすればひもおのずからすずし)

と偈を発して焼死したとか。そう考えながら見ると、再建されたものとはいえ、
正直ちょっと怖い感じがしました。
でも、そこに歴史ありって感じで興味深かったです。


    


三つの門をぬけると、ようやく本堂が見えてきました。
とにかく境内が広いので、ここまで来るのも大変です。


 


本堂に入り、うぐいす廊下を抜けた先に、明王殿があります。ここにはドラマでも
よく登場する、武田不動尊が安置されています。京都より仏師を招き、武田信玄が
生前に対面しながら彫らせたという等身大の不動明王です。本物を前にしてとても
感動しました。
明王殿の裏には武田信玄のお墓があります。樹齢○百年の木立に囲まれて眠る信玄、
荘厳な雰囲気で何だか近寄りがたく、遠目での見学となりました(苦笑)


    


本堂の裏側には池泉回遊式庭園が広がっています。
国の名勝に指定されているそうです。こちらも思っていたより広くて、しばらく
足を止めてしっかり見学しました。心癒される、素晴らしいお庭でした。







さて、次は境内にある信玄公宝物館です。
ここには私がずっと見たかった、孫子の旗(風林火山の旗)が展示されています。
観覧券を買って、いざ館内へ。

疾 如 風   (はやきことかぜのごとく)
徐 如 林   (しずかなることはやしのごとし)
侵 掠 如 火 (しんりゃくすることひのごとく)
不 動 如 山 (うごかざることやまのごとし)

館内の中央にありました!これぞあの迫力の風林火山の軍旗!!
想像以上に大きくてビックリしました。これが本陣にドーンと立っていたわけ
ですね。しばし時間を忘れて見入ってしまうほど、本当にすごかったです。


武田信玄を巡る旅、続いては塩山から甲府へと移動します。
向かうは武田神社!!……のはずが、バスに乗り間違え、着いた先は甲斐善光寺。
善光寺といえば長野……と思っていた無知な私。
こんなところに善光寺あったかしら??と、寺の前でしばし悩んでしまいました。
甲斐善光寺は、川中島の合戦に際し、主戦場と予想される地にほど近い信濃善光寺
の焼失を危惧した信玄が、御本尊の善光寺如来像などを避難した先なのだそうです。
見た目そっくりなのですが、よく見るとちょっと違いました。こちらは朱塗り、
屋根には武田の家紋が入っていました。


    

   


さて、改めて武田神社へ。
甲府駅から一直線に伸びる武田通りの突き当たりに位置する武田神社。道を進むに
つれて近づいてくるテレビで見た車窓の風景に、ようやくここまで来れた~♪と
ドキドキしました。
ここはドラマなどで必ず登場する躑躅ヶ崎館のあった場所、信虎・信玄・勝頼三代
の住居です。現在は神社となっていますが、周囲の堀、土塁等は当時のままらしく、
往事を偲ぶことができました。


 


しかし、たまたま行った日が運悪く七五三とかぶってしまい、境内は人がいっぱい。
ちょっと想像していた歴史ロマンとは遠ざかってしまいましたが、勝運のご利益を
得るため七五三に混ざってしっかり参拝してきました。


    


一日限りだったので大急ぎでまわった旅でしたが、とても充実した一日でした。
歴史ロマンを訪ねる旅、次は仙台に行きたいです。

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