よつば倶楽部2007年9月号


 

よつば倶楽部2007年9月号

日増しに、秋の深まりを感じる季節となりましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、今月担当の清水です。今回は、私の「秋、初体験」について、書かせて
頂きます。



 先日、東京に行く機会がありました。私用で行ったのですが、2,3時間ほど空き
時間が、、、。そうだ、と思いついた先は秋葉原。テレビでよく見るメイドカフェ、
一度は行っておこうと思っていたのです。

 とはいえ、メイドカフェの場所等をあらかじめ調べていたわけではなく、秋葉原駅を
降りてからは、野生の勘に頼るしかありません。「リュックを背負って歩きながら何と
なく空想の世界の中にいるような男性」を見つけては、あとをつけていき、そのような
男性の密度の高い地帯を見つけては「匂う~!こっちだ」とどんどん足を進めていく、
という何とも怪しい行動をとっていました。しかし、30分ほど歩きまわったのですが、
カフェが見つかりません。なぜだ~?

 でも、このまま帰るわけにはいきません。そこで電気屋さんの店員さんに尋ねること
にしました。すると、けっこう奥まった場所にあることが判明。そこには、3件集中し
てカフェが並んでいました。お昼の2時頃で、さほど賑わっている様子もなかったので
すが、3件のうち一番お客さんの多いお店へ、、、。


 「お帰りなさい、お嬢様」

 「は、はあ。ただいま」


 可愛らしいメイドさんに1オクターブ高い声で迎えられ、席に案内されました。
あれ?私の中で、妄想が膨らみすぎていたのか、迎え方も思っていたより仰々しくない。
部屋の内装も、それほどピンクピンクしていないし、フリルだらけという訳でもない。
けっこう普通。こちらが何かを尋ねたり、話しかけたそうにしていると、優しく対応し
てくれるのですが、それ以上にメイドさんの方から世話をやこうとはしてきません。
期待はずれ?というか私は何を期待していたの??

 私だったら、もっと徹底的に部屋を飾りつけるな~、そしてもっともっとぶりっこ
なメイドさんになりきるな~なんて考えていました。でも、お店に入ってくる男性を
さりげなく観察しているうちに、その出来上がっていない曖昧な雰囲気だからこそ、
内気な男性も気負うことなく入ってこられるということに気づきました。徹底的に
部屋を飾り、徹底的な接待をすれば、かえって彼らを緊張させてしまいそう、、、。
お店のコンセプトが、お客様にご主人様気分を味あわせることならば、当然、お客様
の居心地を第一に考えるべきであって、それが内装を徹底的にすることや、完璧な
奉仕をすることとは必ずしも結びつかないのですね。

 私は、もっと、ぎょっとするような出迎えられ方をされ、ゲッと思うような接待を
されるかと、思っていました。でも、全く違っていました。不快感はありませんでし
たし、むしろ、ちゃんとビジネスが出来上がっているんだということに感心すらしま
した。一番、印象的だったのは、店内で、メイドさん同士がぴちぱち会話をしながら、
喜びの表現か、笑顔できゃんきゃんとび跳ねていたこと。そして、それを男性客が嬉
しそうに眺めていたこと。ここに、需要と供給が完璧に成立している図柄を見た思い
でした。

 思いもかけず、経営のノウハウの一面を垣間見ることができ、行ってよかったなと
思います。とはいえ、いつもこんな事をしている訳ではないですよ、あしからず。



 これからも、どうぞよろしくお願いします。


                

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